古都が紅に染まるとき。写真家がこっそり訪れる、京都の紅葉名所の穴場
すっかり気候も秋めいて、紅葉が楽しみな季節になりましたね。今回の無料メルマガ『おもしろい京都案内』では著者の英学(はなぶさ がく)さんが、京都の紅葉の名所の中でも「あまり混雑しない知る人ぞ知る地」を紹介しています。
京都紅葉案内・鷹峯
今回は紅葉の名所「鷹峯」です。洛北の紅葉の名所としては高雄の神護寺などと人気を分け合う観光地です。市内中心部より早くに色づき始めるので、今のうちからご案内しようと思います。
現在の鷹峯周辺は栗栖野(くるすの)と呼ばれていたようです。平安時代、天皇家が都から近いこの地に御幸し遊猟や鷹狩を楽しんだと伝わります。鷹狩を捕捉できる場所が「高岑」と呼ばれ、いつしか鷹峯に変化したようです。
秀吉の時代、洛中と洛外を分ける土塁の塀・御土居が築かれた時は洛外とされていた場所です。治安が悪く、辻斬りなどが頻発していたようです。
江戸時代になると、1615年、家康が本阿弥光悦にこの地を与え、光悦は一族を引き連れこの地に移り住んだと伝わっています。
こうして、当時のアートディレクターともえいる光悦によって光悦村が形成されました。光悦の屋敷を中心に光悦を慕う芸術家や豪商が移り住み、鷹峯は芸術や文化の一大拠点となりました。
鷹峯には源光庵・光悦寺・常照寺の3つの紅葉の名所が隣り合うように点在しています。周りは山々に囲まれていて、とても自然豊かな地です。
紅葉の美しさで有名な割に人里離れた場所だけにあまり混雑しておらず、カメラマンには知られた名所です。
まずは鷹峯の中心となる光悦寺からご紹介いたしましょう。
行き方は、「京都駅」より市営地下鉄烏丸線の国際会館行きに乗車します(約15分)。そして、「北大路駅」で下車後に「北大路バスターミナル」より市バス北1系統(佛教大学・玄琢行き)に乗車します(約15~20分)。
バス停「鷹峯源光庵前」で下車後に徒歩3分で「光悦寺」です。実はこの「鷹峯源光庵前」のバス停から源光庵、常照寺、光悦寺はすべて徒歩1分圏内です。
光悦寺
光悦寺の名前の由来はもちろん本阿弥光悦です。光悦寺の参道は人ひとりがすれ違えないくらい狭くこぢんまりとした場所ですが、まさに紅葉のトンネルです。
紅葉シーズンの鷹峯は他と比べるとあまり混雑しないとは言え、この場所ばかりは多少混雑しています。写真を撮りながら参道を通ろうとするのでその分人の流れも遅くなりなかなか境内にたどり着けません。
市内の紅葉の葉と比べると、気候と日差しの影響か、綺麗なグラデーションが楽しめます。茶室を7つも備え持つ光悦寺は茶人の間では有名なお寺です。
茶人たちがこよなく愛する場所で普段は静寂なお寺です。市内中心部から遠いイメージがあるため、名所の中ではまだまだ穴場と言えるでしょう。